難病患者の海外旅行ガイド

難病・特定疾患の方へ。海外旅行の前にご覧ください。

下垂体前葉機能低下症の私がバリ島に海外旅行した体験記

難病患者のバリ島旅行記

バリ島のホテル中庭にて

(バリ島のホテル中庭にて)

患われている難病や日々の治療状況について教えてください。

「下垂体前葉機能低下症」という難病です。
それに伴った合併症などが多く、生活のしづらさに慣れてきたところです。

服薬は朝に9錠、昼に半錠、眠前に舌下薬。
週に2回の自己注射。
通院は月1回で、そこでも筋肉注射を行います。

脳腫瘍治療の後遺症から脳髄炎、その治療に使った抗生物質でアナフィラキシーショック。さらには甲状腺乳頭がんも見つかり手術と、立て続けに病気を患いました。

現在は服薬とホルモンバランスが安定しないこともあり、自律神経が乱れがちなのが一番つらいです。

海外旅行に行くにあたってどのような事前準備をされましたか?

今回行くのがインドネシアのバリ島でしたので、麻薬と疑われないように英語の薬剤説明書を薬剤師さんにご用意いただきました
結局は不要でしたが、インドネシアは違法薬物が死刑ですので、大事を取りました(笑)。

あとは尿崩症なのに夜間のトランジット航空だったため、水分の心配をしました。
機内に持ち込めるように常に少量の水を買い求めました。

また、これはアジア旅行なら誰しもが気にすることですが、水は常飲できないので生の野菜を水道水で洗って提供されただけで日本人は腹を壊しかねないので、下痢止めとビオフェルミン系薬は持ちました。
もちろん普段飲んでいる薬も多めに持ちました。

保険は行き慣れたバリだったこともあり、服薬や手術歴から簡単に入れる保険がなく断念しました。

主治医からは何かアドバイスや注意事項を言われましたか

主治医からは特に何も言われませんでした。
自己管理もできておりますので、無理のない程度の旅行と思ってました。がやはり飛行機はつらかったです。

バリ島に行かれてみて、気づいたことや苦労されたことはありましたか?

25年ぶりのバリ島でしたが、思ったよりも観光地化が進んでいて、トイレなどは困りませんでした。

今どきはAIも発達しているので、翻訳をAIに任せてみたりなどして。
前述したように水だけが悩みの種でした。

旅行中に一番購入したのは間違いなく水のペットボトルでした。

肌も抗生物質でアナフィラキシーショックを起こしてから弱かったので、鉄分の多い現地のシャワーと風呂が合いませんでした。
異常を感じたら、風呂につかるのはやめてシャワー浴のほうがいいです。

日焼けもしますので、是非日本から使い慣れている日焼け止め、リップクリームなどを持参してください。

病気や難病を持ちながらもこれから海外旅行を考えている方へのアドバイスをお願いします。

今回私は親に連れられて、私の妻と二世帯旅行に行きました。

妻は病気に関してすべて理解してくれておりましたが、普段同居していない両親には症状をきちんと全部伝えておらず、理解を得るにも時間がかかりました。

「同行する人間には細かいことも伝えておかなければならなかった」と改めて実感いたしました。

つらかったのは尿崩症に関してでした。
飲料が多いこと、トイレが多いこと、飲食に時間の制約があり、これも病気の影響ですがむくみやすいので、長時間のフライトで足のむくみもきつかったです。
日本からクアラルンプールまで7時間、トランジットでデンパサールまで3時間でした。

印象の良くない話を多くいたしましたが、それでも行ってよかったです。
私にとっては育ちの故郷がインドネシアだったこともあり得難い経験でした。

また一度経験してしまえば、次はきつくありません。
次は一人旅行でも行けます(笑)。

皆様の症状にもよりますが、同行する家族の負担も多少は増えるかと思います。
それでも代えがたい経験が絶対にあります。

妻は初海外でした。
日本は地図上では島国で小国です。
ほかの地域にも人が実際に生きているんだということ、違う文化や言語に触れること。そのすべてが人生観を変えてくれます

闘病や生まれながらに難病と付き合われている方も、海外旅行を考えられたなら、ご家族の助けを借りながらぜひ経験してみていただきたいと思います。

参考記事

下垂体前葉機能低下症患者の海外旅行の注意事項

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