難病患者の海外旅行ガイド

難病・特定疾患の方へ。海外旅行の前にご覧ください。

難病(全身性エリテマトーデス)を抱えて台湾旅行へ

難病患者の台湾旅行記

台北旅行

旅行計画をどうたてたか

膠原病の中の一つ、全身性エリテマトーデス(通称SLE)を発病し、現在7年目です。
2012年5月に4泊5日で、台湾の台北市へ旅行してきました。

薬を常用しているのですが、薬の量が少なくなってきた寛解期(難病は完治することがないので、病状が落ちついている時は、寛解と言います。)に旅行計画をたて始めました。
主人の仕事の都合で5日~6日間がマックスだったのと、私の病状が落ち着いていても無理はしない旅行計画をモットーとしていたので、国内または近くで探しました。

ちょうど連休中ということもあり、国内旅行と台湾旅行のお値段があまり変わらず、家族で話しあった結果、子供(7歳)も自分なりに台湾についてリサーチし、やりたいことや食べたいもの、行きたい所を決めてくれたので、台湾にすることにしました。

実は私は台湾には発病前に一度行ったことがあり、当時は博物館などに行き、短期間でいかに沢山の台湾を見れるかが勝負でしたが、今回はゆったりのんびりと、室内中心に行動できるよう計画しました。
夜市が盛んな街ですから美味しい屋台の食べ物がいたるところありましたが、薬の量が減ってきたとはいっても健康な時に比べたら免疫力がかなり下がっているので、生の食べ物や現地のお店のお水は飲まないようにし、常にペットボトルを現地コンビニエンスストアなどで調達し、持参していました。

主治医への相談

主治医に旅行計画を話したところ、万が一病気が悪化してしまって現地の病院に行っても、日本に似ているところも沢山あるし、また日本人や日本語が話せるお医者様がいるはずなので、特にこれといって心配する必要はないと言われました。
ただ、台湾はとても暑い国です。5月ともなれば日光や紫外線も強くなるので、日焼けには十分注意して旅行を楽しむようにと助言をいただきました。

海外旅行の準備

色々と海外旅行するにあたり、準備はできる限り万全になるよう、用意をしました。
絶対に忘れてはいけないのが毎日常用している薬です。
万が一現地で飛行機の延滞などで延泊しなくてはいけなくなった場合や想定外のことを考え、主治医から1週間分の薬を余分に頂いて用意をしました。
また、台湾は美味しいものが沢山あって美味しい食事も重点を置きたいと思ってたので、万が一のためにお腹の薬、そしていつも持参する風邪薬も処方してもらいました。

さらに、自分の病名や薬の量を英文で書いたメモも持参し、万が一現地の病院にお世話にならなくてはいけなくなった場合に見せれるようにしておきました。
その他には大量の日焼け止め、帽子、日傘、長袖の洋服、マスクを用意しました。マスクは、ホテル内のエアコンや機内の乾燥を防ぐため、必需品です。
自分なりに念には念を入れていったので、今回現地で準備不足と感じたことは特にありませんでした。

難病患者が海外旅行を楽しむためには

私が最初に難病になって入院した時は、相当落ち込みました。国内旅行はもとより海外旅行にも二度と行けないとまで思いました。
ですが退院をして、徐々に元の生活に近い生活ができるようになると、普段は自分が難病患者と忘れていることもあるような日常を送れるようになり、海外旅行も夢ではなくなりました。

しかし、難病は治らないので難病です。
薬のおかげで寛解期を過ごしていても、健康な時とは違って少しでも無理をすると、また体が悲鳴をあげます。
なので海外旅行では、大げさなぐらいゆったりとのんびりマイペースで過ごせる計画を立てることをお勧めします。

難病には色々な、数え切れないほどの病名があり、病状も人それぞれです。その方の病状に合わせた旅行先を選べたら最高ですよね。
旅行、特に数泊する海外旅行は、家族、気の知れた仲間、そして何より自分の病気のことを理解してくれている仲間と行くことが重要です。一緒に行く仲間が病気を理解していない、知らない場合は無理な旅行計画になること間違いなしです。

自分の中では、まだまだ元気!滞在時間が短いからもっといろいろなところに行ってみたい!などと思うこともありましたが、疲れというのは、知らないうちに溜まるものです。余裕ある旅にすることで、次回来た時は、これを!と、別の旅の計画もできます。一度の旅行で全部やりたいことをこなすのは、健康な方でも無理です。

難病だから、病気があるから、ハンディーキャップだから、車椅子だから、杖だから、などの理由で楽しい旅行をやめるのはもったいないです。
他の方ができない旅行の楽しみ方、ハンディーキャップがあるからこその旅行の楽しみ方、人それぞれです。自分だけの旅行計画を立てて、海外旅行のチャンスが巡ってきたら、ぜひそのチャンスを無駄にすることなく楽しんでいただきたいと思います。

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