難病患者の海外旅行ガイド

難病・特定疾患の方へ。海外旅行の前にご覧ください。

潰瘍性大腸炎の私がシンガポールに海外旅行

難病患者のシンガポール旅行記

シンガポール

なんという難病を患われていますか。

私は潰瘍性大腸炎という難病を患っています。潰瘍性大腸炎になって8年と4か月になります。
症状は腹痛や下痢、血便、貧血、体重減少などが起こります。

私が海外旅行に行ったのは2014年11月18日~23日で、シンガポールに4泊6日で滞在しました。

海外旅行に行くにあたってどのような点に気を付けましたか

まず、生活時間が乱れないように日本との時差が少ないところを選びました。潰瘍性大腸炎は生活習慣や食事が偏ることによっても再撚することがあるからです。

シンガポールは時差が1時間しかないので、生活もしやすく、睡眠時間が逆転することもありませんでした。生活時間が同じというだけで、身体のリズムが狂わないので過ごしやすかったです。

現地での食生活

次に食事ですね。
日本食のお店があるかどうかをチェックしました。

シンガポールではうどんのお店やラーメンや寿司やさんがありました。
寿司は生物なので避けました。うどんは日本の味ではないので、正直、美味しくはなかったです。

また、シンガポールは辛い物が多いので、潰瘍性大腸炎にとってはとてもネックな食事です。
刺激物をなるべく避けるためにあらかじめ、日本食がある店をチェックしておいたり、あらかじめ日持ちできるような日本食を持っていったりもしました(具体的には梅干しや水や乾物などです)。

他にも脂肪分の多い物や野菜や果物など、生物を避けるようにしていました。生物を避ける理由は海外の生物を食して、腹痛、下痢などが起こると聞いていたので、完全に避けました。

シンガポールの気候

次に気をつけたのはシンガポールの気候です。とても亜熱帯な国なので、ジメジメしていて、とても暑かったです。

そのため水分を多くとりがちだったので、冷たい物を飲まずに常温のミネラルウォーターを常備していました。
冷たい物ばかりを飲んでいてはお腹を冷やして下痢などを起こしやすくなるので、常温のミネラルウォーターを飲むようにしました。

あと、風邪をひかないように着替えを細目にし、疲れた時は無理して行動することを避け、座って休んだり、ホテルに帰って横になっていました。
汗ばかりかいていたので、体力が消耗しやすかったですね。

もし、再撚して、トイレに間に合わなかった時のことを考えて、下着の着替えを常備させていました。下着の着替えは必要以上に持っていきました。

薬の常備

その他に気をつけたことは飲み薬を多めに持っていき、常備することです。
飲んだか、飲んでいないのかわからなくなるので、日付ごとに薬の袋をわけて持っていきました。

その他にも薬がなくなった時のために違うポーチに薬を常備させていきました。
他にも万が一、風邪をひいたときの薬や頭痛薬を先生にあらかじめ、出していただき、持っていきました。

環境が変わるので、体調が変わることは充分にありえます。薬の飲み合わせもあるので、先生に前もってお願いすることは大事です。

海外旅行傷害保険への加入

万が一、シンガポールで体調を崩した場合のことを考えて、海外旅行傷害保険に入りました。
それだけでも安心感が違います。

トイレの場所を把握しておく

行く場所の先々で、すぐにトイレの場所をあらかじめ確認しました。
潰瘍性大腸炎がすぐに再撚してもトイレの場所さえ、わかっていれば、心構えができ、安心してすぐにトイレに行けるからです。
再撚するとトイレが近くなるので、あらかじめトイレの場所をわかっておくことは大事です。

主治医からは何かアドバイスや注意事項を言われましたか

「食事や暑さに気をつけるように」ですね。
あとは飲み薬をかかさずに飲むことと、疲れたら無理せず休むことを心がけるよう言われました。

もし時差がひどくて、寝る時間が逆転していたとしても海外の生活に合わせて薬を飲むようにしてくださいと、言われました。日本時間に合わせて薬を飲む必要はないそうです。

実際に海外旅行に行かれてみて、準備が不足だと感じた点はありましたか

着替えですね。
気候がとても暑い国だったので、洗濯できない分、着替えがもっと必要だと思いました。
必要以上に持って行った方がいいと思います。

現地でのTシャツなどは高いので、お土産などをたくさん買いたい方や余計なお金を使いたくない方はぜひ、着替えをたくさん持っていくことをお勧めします。

逆に、準備しておいて良かった点はありましたか。

薬です。
潰瘍性大腸炎の薬以外の薬を先生にあらかじめお願いして、持っていったことが良かったです。

私は頭痛持ちだったので、疲れた時にすぐ頭痛がしていたので、頭痛薬があったことで助かりました。
難病の薬はどれを飲んでもいいわけではないので、先生にお願いして本当によかったと思います。

難病じゃない人も自分の身体に合った薬を飲むことが大事なので、海外旅行に行く前に病院に行って、薬をあらかじめ貰っておくことは大事だと思います。

潰瘍性大腸炎を抱えた旅行者へのアドバイス

必要最低限の荷物は必ず持っていくべきですね。
具体的に何かというと、薬を多めに持っていくことをお勧めします。

大きなトラベルバッグに薬を持っておいて、手持ちのバッグにも薬を常備させることです。もし、薬をなくしたとしてもトラベルバッグに同じぶんの薬の量を持ってきていれば安心ですから。
手持ちバッグには1日ぶんの薬をトラベルバッグから、毎日、移し替えることをお勧めします。

それと自分が頻繁に起こる頭痛や腹痛など、先生にあらかじめ相談して、難病の薬以外の薬も先生に準備してもらいましょう。
飲み合わせのこともあるし、自分に合った薬を飲むことが一番効きが早いので、難病の薬以外も先生にお願いして出してもらってください。

あとは海外旅行傷害保険に入っておくことをお勧めします。
万が一、海外旅行先で体調を崩した場合のことを考えて、保険に入っておきましょう。
入っていない場合、多額の医療費がかかります。
海外旅行先で体調を崩さないことが一番いいことですが、入っておくほうが気持ち的にも安心できますからね。

体調と相談しながら行き先を決める

海外旅行の行先についての考えは私の場合だと時差が少なく、日本と変わらず、過ごしやすい時間帯であることや気候や食事の環境など、しっかり下調べして、「これなら、行っても大丈夫そうだ」という自信があるところを選んでいってください。

「行きたいけど、これだと身体に負担がかかりすぎるかな・・」と、思った場合は辞めておいたほうがいいです。
行先を決めるのは身体を最優先にして考えるといいですよ。

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